燃ゆる月



 

 「シュリ」や「銀杏のベッド」でもう紹介しているカン・ジェギュの作品。「銀杏のベッド」の前世の出来事とも言われているが、男二人、女二人の四角関係と、ラストの銀杏が同じだっただけで、テーマは同じだし、時代も昔になっているが違う作品だと思っていいと思う。以前は敬遠していたが、最近こういう韓国の歴史系の物語にはまってしまってます。この映画は歴史ファンタジーって感じでしょうか。

太古の昔、神山という、天地を収める神の住む山の麓に、メ族とファサン族という部族が住んでいた。メ族は、ここを支配しようと、ファサン族に襲いかかってきます。しかし、それが神山の怒りにふれ、メ族は、荒れ果てた土地に追放されてしまいます。飢餓と屈辱に苦しむメ族は、500年後復讐の為、一族の血と骨でできた「天剣」を作り出し、ファサン族と神山を滅亡させようとします。しかし、天剣ができるには、月食の夜、ファサン族の血も引くメ族の人間を生け贄にしないといけなかった。メ族の長、ス(イ・ミスク)は、ファサン族のハン(チョ・ウォニ)を誘惑し、騙して子供を産むのだった。産まれた子は女の子で「ピ」。彼女はまさに生け贄になるため作られた子。スの陰謀を知ったハンは、月食の夜、まさに生け贄として天剣で殺されようとしてる娘ピを救い出し、逃亡生活を送り始めるのだった。

10年後、メ族に見つかったピとハンは、ファサン族の子供(タン♂、ジョク♂、ヨン♀)に助けられる。ファサン族に戻ったハンであったが、彼は反逆者。そこに住むことはできない。娘だけをファサン族に置き、村を去っていく。なぜ娘をファサン族に置いていったのか。それには深い理由があった。そしてピは悲しい運命を生まれたときから背負っていたのだ。



 ネタバレ追加


 20になったピ(チェ・ジンシル)。以前助けてくれた子供達も20才。タン(キム・ソックン)と愛し合うようになる。ヨン(キム・ユンジン)は王族の血を引く只一人の姫であり、ピの親友だ。そしてタンの親友ジョク(ソル・ギョング)は、ちいさい頃から村一番の勇者になり、次の一族の王になることを目標としていた。ジョクを愛しているヨン姫も、それを望んでいた。しかし、親友の為身を引こうと思いつつも、ピに惹かれ、忘れられず苦悩するジョク。押さえ続ける愛は、段々と独りよがりな愛情の押しつけに変わろうとしていた。

20年に一度月食は訪れる。ピが産まれた時とそして今年。ピの周りで恐ろしい事が起こるようになり、山神も怒り狂うようになる。ピの背負う宿命・・・それはあまりにも悲しいものだった。メ族とファサン族の間に産まれたピ。彼女はメ族の天剣の為にいけにえになるか、山神の生け贄となるかどちらかの人生しか選べない宿命だったのだ。山神の生け贄になれば、メ族の滅亡を意味し、メ族の天剣の為の生け贄になれば、彼女はその後、メ族の純血として生まれかわれるが、山神とファサン族は滅亡し、それはすなわち愛するタンも死んでしまうことを意味していた。

ファサン族の王として承認され、ヨン姫と婚姻を目の前にしたジョクは、その事実を知る。そして、ピを、部下やヨン姫とともに山神の元に連れて行こうとしていた。何もしらなかったタンは、彼女が連れていかれるのを激しく抵抗するが、ジョクに牢屋に入れられてしまう。このまま山神に行くのかと思ったら・・・きました。どろどろ四角関係。ジョクは仲間を裏切り、斬りつけ、ピを連れ去るのです。ファサン族が滅びてもいい。ピさえ助かればと。そしてその後、彼は、ピを愛するあまり、メ族にまで魂を売ることになるのです。ピは、心からタンを愛していたし、自分の運命も受け入れていました。心から山神の生け贄になることを望んでるのに、ジョクに邪魔をされる形になります。そして自分の愛情を必死に押しつけるのに、ピの心はタンに馳せられてました。後に事実をしったファサン族の長老は、タンに、村の命を託し、タンはヨン姫とともに、メ族やピ・ジョクの居る山へと向かうのです。

ファサン族とメ族はどうなるのか。四人の愛情が交差します。しかし、ジョクだけが歪んだ愛情です。しかし、最後の最後まで、ピの愛・・・ヨン姫の愛・・・タンの愛・・・そしてジョクの愛・・・全てに心が痛かったです。タンは、ピの気持ちを優先してあげる愛でした。そして少しでも一緒に居てあげようと・・・。ヨン姫もまた、彼を愛するが故に、逃がしてあげるという行動をとったり。相手を思いやる愛でした。結果は書きませんが、ストーリーはさすがソル・ギョング。面白かったです。ただ、カメラワークが近すぎてわかりにくかったり、俳優や女優を(最初から)知らなかったら、誰が誰だかわかりにくいかも。皆同じような汚れた顔で汚れた衣装だから。東洋人以外の人が見たら、一段と皆同じ顔にみえてしまうような・・・。面白かったけどちょっと惜しいって感想でした。泣けはしなかったけど、すごく切ない物語でした「燃ゆる月」


                 

 
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