ロストメモリーズ



 

 もしも、ハルピンで伊藤博文が暗殺されていなかったら」そんな仮想物語から始まります。SFアクションというふれこみで見始めたけど、最初はどのへんがSF?などとおもいましたが、途中でその謎が明かされます。

井上という一人の男の手柄により、伊藤博文暗殺が失敗におわり、暗殺者安重根は射殺。それから走馬燈のように過ぎ去る100年。リアルの100年とは違う歴史。原爆は、広島や長崎ではなく、ベルリンに落とされる。第二次世界大戦の勝利。そして、名古屋オリンピックが開催され、日本の国旗をユニフォームにつけて戦う韓国人選手。日本単独開催のサッカーワールドカップでは、有名な韓国人選手が日本のユニフォームを。これは、日本が戦利国として、世界の中心になっており、韓国が植民地として日本の領土となっている事を意味する。その証拠に光化門前には豊臣秀吉の像が。

2009年。朝鮮民族独立の為テロ活動をする「不令鮮人」たち。彼らは井上財団が所有する伊藤博文博物館で、大がかりなテロ活動をする。しかし、最初から人に危害は与えておらず、ただ一人の男を人質とともに、外に出すためだけに大勢が命をかけていた事がわかる。彼らの目的は何なのか。JBI(日本版FBIって感じかな?)のエリート捜査官西郷(中村トオル)と朝鮮系日本人の坂本(チャン・ドンゴン)は、この事件の担当になる。事件を調べる内に、坂本は陰謀に巻き込まれ、坂本と西郷の深い友情は、二人の気持ちとは裏腹に、日韓の未来を背負った闘いになってしまう・・・・



 ネタバレ追加


 チャン・ドンゴン、一生懸命日本語練習したんでしょうね。仲村トオルにセリフを録音してもらって必死で覚えたそうです。他の映画で見るような、何を喋ってるのか分からない日本語とは比べようもなく聞き取れます。でも、やはり、完璧とはいえませんが。前半は日本語で後半は韓国語になるんですが、やぱりドンゴンは韓国語のほうが格好いい!!!前半はどこか、「ドンゴン・・・がんばれ!」と、言葉にばかり気を取られて。韓国語になってからの方が映画に集中出来ました。仲村トオルも、クールでどこか哀愁を漂わせた演技で良かったんですが、他の日本人俳優が・・・w早々有名人ばかり集められないでしょうから、仕方ないですね。棒読みの人が居て、ちょっと気になりました。

日本人として生きて来て、職務を全うするため、犯罪者の朝鮮人を平然と射殺する坂本。「不令鮮人」と聞くと、普段の冷静さを忘れ、熱くなってしまいます。そこには、彼の父親で元警察官が、「不令鮮人」と取引をし、手引きをした罪で同僚に射殺されたという忌まわしい過去が。自分は父親とは違う!という強い反発心から警察官になったのだ。「不令鮮人」の狙いが「月霊」という高句麗時代の遺物を持ち出す事だったのだと気づいた坂本は、過去の父親の犯罪も関係した、井上財団の所有する「霊鼓台」と「月霊」に何か秘密があることをつきとめる。しかし、なぜか彼は突然暗殺者に狙われ、身代わりに亡くなったJBI特別捜査隊監査の高橋は、坂本の父親のような存在だった。その上、日本政府の陰謀に巻き込まれ、坂本が暗殺したとされ、彼は殺人容疑者として、逮捕される。なぜ坂本が?陰謀だと分かりながらも、彼を取り調べないといけない西郷。彼が朝鮮人だからか?怒り狂い、警察内部で発砲し、逃げる坂本を西郷は逃がしてやる。「二度と戻ってくるな。今度逢ったときは俺たちは敵なんだ」と言い残して。

その後、傷を負った坂本は不令鮮人の女リーダー(ソ・ジノ)に助けられる。そこで知る、信じられない日本政府と不令鮮人の確執の理由。歴史は日本政府によって、意図的にねじ曲げられてたのだった。全てはハルピンの伊藤博文暗殺事件からねじ曲がっていたのだ。歴史を戻すため必要なのは「霊鼓台」と「月霊」。坂本の父親はお金の為に手引きをしたわけではなく、事実を知り、ねじ曲げられた世界を戻そうとしていたのだ。不令戦人のアジトが見つかり、目の前で次々にJBIに射殺される不令戦人たち。アジトで仲良くなった父を亡くした少年。JBIから少年を助けようとした坂本は、少年の父親が、自分が警官として射殺した男だと知る。そして、非情にも、彼の目の前で少年が射殺される。ねじ曲げられた世の中で自分は一体何をしてきたのか。(ここ、泣けました。少年がとても可哀想なんです)このとき、彼は歴史を戻す決意をするのです。同じ頃、西郷も、このねじ曲げられた歴史の事実を聞かされる事になる。もし歴史が戻ったら・・・広島出身の妻は存在しなくなるかもしれない。可愛い娘も存在しなくなるかもしれない・・・。二人の親友は、この時から、日本と韓国の未来を背負って闘わなくてはいけなくなります。100年前ハルピンで射殺されるのは伊藤博文か、それとも安重根なのか。歴史を変えるため、そこに存在する井上は。そして、坂本と西郷の因縁の対決は。

ラストは「だからSFアクションだったんだねー」と納得しました。結構お金かかってる映画だな。とも思ったし、ストーリーもなかなかいいと思います。タイムマシーンを絡めたあたり面白いはずなのに、途中のテンポがちょっと中だるみしてた気がします。それに、ドンゴンの背景は良くわかるんですが、あまりにも仲村トオルの背景をあっさりと描きすぎて、(わざと日本人はこういうクールな生き物だと描いたのかもしれませんが)わかりにくかったかも。この映画、面白かったけど、リメイクしたら絶対もっと面白くなるのに。っていう気がしました。「ロストメモリーズ」


                 

 
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