かつら



 

 チェ・ミンソが髪を剃って体当たりで演じたホラー映画「かつら」。怖かったー。まあ、私は何でもホラーだと怖いんだけど(あはは)。

抗癌治療で髪の毛が一本もないスヒョン(チェ・ミンソ)。もう治る見込みのない妹を、せめて最後は自由にさせてあげたいと、姉のジヒョン(ユソン)は医者に頼み込んでスヒョンを退院させ、退院祝いとしてつややかな長い髪のかつらをプレゼントします。

退院したスヒョンがそのかつらをかぶった時から、日に日に明るく活動的になっていきます。姉のジヒョンは過去に事故で声を失っていたが、そんな姉だけが頼りだったスヒョンだったのに、スヒョンはどんどん別人の様に、健康的に変わっていき、姉のかつての恋人だったキソクをも誘惑するようになって行く。そして、異常なまでにその「かつら」に執着をみせるスヒョン。ある日、そのかつらをこっそりかぶって、浮気した夫に会いに行ったジヒョンの親友キョンジュ。スヒョンは半狂乱でかつらを返せとわめき、キョンジュはそんな事をするような女じゃないのに、夫と無理心中をはかって、無惨な姿で発見された。その事故の次の日の朝、かつらだけがなぜかスヒョンの頭に戻ってきて、昨夜の半狂乱が嘘のように楽しそうに料理をしてるスヒョン。ジヒョンは最初、スヒョンの変貌に戸惑いを見せるが、だんだん恐怖を抱くようになっていき・・・・





 ネタバレ追加


 正直「なんだか訳分からない」って感じの映画だったよ。グロいシーンもあって、目を1/3ほどあけてしか見れないシーンもあって、確かに怖かったんだけど、ストーリーがイマイチもやがかかってるようで分からないんだよね。

完全ネタばれになるけど、そのカツラの髪は、過去にしんだ少年の髪で、その少年とジヒョンの恋人キソクが愛し合ってたらしいんだよね。少年は美術の先生であるキソクと愛し合ってる事で、クラスの子にいじめられ、髪を切られ、キソクの元に行ったら、まさにジヒョンが居てウェディングドレスを試着してるところだった。そんな場面を見た少年は、自分から命を絶ってしまう。

キーワードは「髪は記憶を栄養にして伸びる」って事かな?そのかつらの髪には、少年のキソクを愛してた記憶が埋め込まれていた。

スヒョンの髪としてかつらがかぶられたその日から、スヒョンはスヒョン自身ではなく、少年と融合し、少年に支配されるようになっていった。「かつら」が原因だと知ったジヒョンは、そのカツラを切り刻み、スヒョンはショックで錯乱状態になり、血を吐いて病院に運ばれ、再び入院する事に。

しかし、病院を抜け出してしまったスヒョン。ジヒョンは「かつらのせいだ」と思い、かつらの秘密を探り出し、スヒョンの中で息づく少年から、今でも忘れられないかつての恋人キソクと、最愛の妹スジョンを助けにいく。

うーん・・・。これは少年の怨念のつまった「かつら」がテーマの映画だったけど、本当に「かつら」のせいでこうなったのかな?おかしいって思ったのは、最初、恐怖体験は、ジヒョンの夢の中ばかりなんだよね。

段々とスヒョンも見えるはずのないものが見えたりするんだけど、以前、ジヒョンが声を失った事故に遭ったとき!あれが少年の怨念の仕業だったんじゃないかな?もしくはジヒョンがそう思いこんで、どんどんとジヒョン(姉)が精神的異常をきたしてたのでは?

そんな気がしてならないんだよね。ジヒョンの妄想じゃないのかって。だって、あのかつらを作った会社に忍び込んだ時も、あの、秘密を知ってる娘の登場の仕方は異常だったし、キソクを誘ってクラブで踊り狂うスヒョンを見た時も、あの状態でスヒョンとキソクが姉に気づかない(声をかけない)わけないし、トイレのシーンも、まるでスヒョンは最初姉に気づいてないかのような動きだったんだよね。

説明のつかない事がいくつかありすぎて。これがその少年の呪い自体なのかもしれないけど、少年と恋人が愛し合ってたという事実を知ったジヒョンの心がどんどん壊れて妄想を抱き始めたような気がしてならないんです。



ラストの、スヒョンの髪が伸びてるのを知って、スヒョンを閉じこめ、助けを求めるスヒョンに、少年の顔がオーバーラップして、残酷な結果になったあのシーンが、まさに現実と妄想をさまよってしまってるジヒョンの本当の狂気なんじゃないかな?

違ったらごめんなさい。でも私はそういう目で見ました。妹スヒョンは、最後は自分の元気な姿を姉の記憶に残してあげたくて、活発に行動して写真をたくさんとって、強い副作用のある薬をわざと飲まないようにしてただけな気がします。そう思うと、最後のスヒョンは、とても可哀想で心が痛いです。「かつら」


                 

 
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