拍手する時に去れ



 

 いやー・・・韓国の三谷幸喜と言われるチャン・ジン監督らしい作品でした。それに、私が天才だと思ってるシン・ハギュンの演技はやっぱり期待を裏切らないよ。思った程、出番はなかったけど。そして、主役のチャ・スンウォンを始め、個性的な脇役がこの映画を盛り上げてます。

ホテルの1207号室で、9カ所も刺されてころされたコピーライターの女性ユジョン。容疑者は、テレビカメラの前で、即逮捕された。容疑者ヨンフン(シン・ハギュン)は、ホテルの部屋にガソリンを持って侵入しており、彼がハンニンだというのは明らかだった。この事件は、二日間通した生放送で、パネラーや専門家、観客を集めたスタジオで一部始終放送されていた。後は、敏腕刑事ヨンギ(チャ・スンウォン)が、ヨンフンに自供させるのみ。

しかし・・・・ヨンフンは、「ころしたかったけど、もう死んでいた」と供述を。その嘘を暴くため、嘘発見器にかけるが、結果は白。そして・・・美しいユジョンにまつわる様々な噂や、怪しい参考人の数々。段々捜査は行き詰まり、視聴率も低下。番組PDは、視聴率の為、この「ショー」を盛り上げようと、新しい試みを投入しようとし、事件をショーだと思っていないヨンギの反対を押し切り決行を・・・・




 ネタバレ追加


 コメディかと思ったら、かなりシリアスなストーリーでした。ってか、切なかったよ。ラストの解決を、一回目、すかして、二回目で、あああ・・・そうだったんだ・・・って思える風に持ってきたのも、いいね。

細かいコミカルな登場人物も、物語を重くさせないスパイスになってました。そして。。。何より、この事件を深いものにしてるのが、シン・ハギュンの演技です。細かい表情に、謎のヒントが隠されてて、後で、「ああ・・・そうだったんだ」って。まぁ、想像出来る結末といえば結末なんだけどね。

この作品は、元々劇場で演技された脚本を元に、映画仕立てにしたらしいです。この辺、納得。シン・ハギュンとチャ・スンウォンの、尋問の駆け引きとか、そんな感じです。

きっと、ストーリーをそのまま単純に描いたら、面白くない映画だったと思う。でも、チャン・ジンらしい描き方と、選び抜かれた俳優陣が、ばっちりフィットして、ものすごく面白い話だったとは、言い切れないけど、観劇だと思って見れば、面白い作品になってるとおもいました。

いつもの様に勝手な解釈だけど、シン・ハギュン演じるヨンフンは、姉に対して、かなり屈折した愛情を抱いてて、どうしても自分の手でころしたかったのに、それが出来なくて・・・彼の愛は、姉をころして、自分と一緒に炎の中で一体化することによって完結したんだよね。でも、霊媒師によって現れた姉の最後の言葉は、天国で会いたいのは亡くなった社長ではなく、「父母」だった。そして・・・・ヨンフンの愛に苦しんで、死を選んだ。だから、ヨンフンの愛は、最後、成就したって事なんじゃないかな?最後の最後に、ヨンフンの事で姉の心を独り占め出来たんだから。お金の為にころそうとしたんじゃなくて、愛を成就させたかったんだと思う。 

 


                  

 
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