接続~The contact~



 

 ハン・ソッキュとチョン・ドヨン出演の大人の恋の映画。「接続シンドローム」という現象まで巻き起こした1997年のヒット作品です。実力派の二人の共演ということで期待して見たんですが、期待通り良かった!現代の殺伐とした世間に紛れて生きる、淋しい男と女がインターネットを通じて偶然しりあい、出会うまでの物語。自分の身にも起こるのではないか?と思えるような自然なストーリーと美しい音楽で展開していきます。

ドンヒョン(ハン・ソッキュ)はラジオ番組のプロデューサーだ。六年前の恋をいまだに引きずっており、常に孤独な男だ。彼の宛てに一枚のレコードが送られてくる。ベルベット・アンダーグラウンドの『ペイル・ブルー・アイズ』・・・それは恋人ヨンへとの思い出の音楽であり、彼女から送られたものだった。その曲をラジオでかけると、一人の女性からインターネットを通じて同曲のリクエストが入る。ヨンへだと思ったドンヒョンは、チャットでコンタクトを取る。




 ネタバレ追加


 チャットの相手はスヒョン(チョン・ドヨン)だった。彼女は通販のオペレーターをしており、親友の恋人に片想いをする淋しい女だった。ラジオのプロデューサーからのチャットの呼びかけに驚いた彼女だったが、つい、ヨンへと知り合いで、ヨンへに頼まれたと嘘をついてしまう。そこから二人のチャットがはじまっていく。「二人が出会うべきだったら(運命だったら)必ず会えると信じる」という言葉が、何度か出てきます。二人は運命だったのでしょうか。スヒョンがラジオ番組にリクエストしたのは、ドンヒョンがラジオで流した曲を、落ち込んで聞きながら運転している最中、奇跡的に交通事故から逃れられたから。その曲が恩人のような気がして、リクエストしたのだった。

嘘をつきとおすことが出来ず謝るスヒョンに苛立つドンヒョン。彼はやっと見つかったと思った彼女が幻だったことに落ち込み、積極的に迫ってくるシナリオライターのホン・ウニ(チュ・サンミ)と体を重ねる。決して彼女を愛してる訳ではない。ただ淋しかったからだ。ドンヒョンは無くした恋の後遺症で恋に臆病になっているのだ。そのせいで先行き、上司とウニとの三角関係で仕事を退く事になるのだが。そして、スヒョンもまた、親友の恋人に隠れて恋するしか出来ない臆病な女だった。親友と喧嘩別れした彼をも、ただただ見送るしかできなかった。

ヨンへだと嘘をついたことで、一旦は停止した二人のチャットだったが、必死にあやまるスヒョンに心を許したドンヒョンは互いに恋の相談をし、励まし合っていく。ドンヒョンのアドバイスで、親友の彼に勇気をだしてぶつかって、砕け散ったスンヒョン。ドンヒョンのせいだと責め立てるが、「いつまでも思ってても彼は君を幸せに出来る相手ではない。忘れるんだ」と。一時は腹をたてたスンヒョンだったが、ドンヒョンとのチャットが支えとなり、彼を忘れようと思うようになる。この辺の振られ方も、本当に大人だからありそうな切ない恋の終止符で。すごく共感できます。『ペイル・ブルー・アイズ』はとても切ない音楽で、この映画のテーマソングです。至る所で流れますが、二人の淋しい心をうまく引き立てます。また、スヒョンはドライアイで、常に目薬をささないといけない場面も、スヒョンの乾いた心を写しだしてるのでしょうか。チャットを通じて二人の生活は少しずつ潤ってきます。顔も分からないのでいろんなシーンで気づかずにすれ違う二人。もどかしいけど、自分にもこんな相手がどこかにいるのではと、錯覚してしまいますねー。「接続シンドローム」が起こったのも分かる気がします。そしてついに自然な流れで、ドンヒョンがスヒョンを映画に誘います。しかし・・・・約束の日、ドンヒョンを再び乾いた現実に引き戻す事件が起こるのです。

しっとりと大人のラブストーリーなので「愛してるー」などと叫んだり、愛を押しつけたりしない。ただ、大人ゆえに不器用な所にやきもきします。ラストシーンが納得いかないと言う人もいますが、私は、あのもどかしい時間は、恋に臆病になったドンヒョンの心の氷が溶ける時間だと思いました。私はとても共感できました。かえってすぐ・・・・・(ラストシーン・・・秘密です)だと、すごく簡単な映画になってしまった気がします。あの時間がこの映画の重みを出してくれて、先に殻を破ったスヒョンの心が固く閉ざされたドンヒョンの殻を破り心を溶かした・・・そんな気がしました。良い映画です。何度も私は、チョン・ドヨンはすごいと、感想で書いてきましたが、ハン・ソッキュという韓国随一の俳優と対等に演技ができるなんて。やっぱりすばらしい女優さんだと思いました。この映画で流れる曲は、『ペイル・ブルー・アイズ』だけではなく、二人の心境に応じ、綺麗なメロディで盛り上げてくれました。「接続~The contact~」


                 

 
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