301・302



 

 とあるマンションの301号室に住むソンヒ(パン・ウンジン)。彼女の家に刑事が現れ、隣の302号室に住むユニ(ファン・シネ)が行方不明だと言うことで、捜査に協力を頼まれる。

スリムで美しい一人暮らしのソンヒ。刑事を鳥のから揚げでもてなし、親交のあった302のユニについて語ります。全てはソンヒの回想の映画です。ソンヒの部屋はキッチンがメインで赤い棚と青いテーブルクロスがとても印象的です。彼女のユニと出会う前の自分の回想や、ユニとの会話の回想で物語りは進み謎が解かれていきます。それはあまりに悲劇的な結末で、二人の心の闇を物語が進むに連れ露見していきます。実は過食症で悩んでいたソンヒと拒食症に悩むユニの心の闇を・・・・。現代女性の心のストレスから来る病気「拒食症」と「過食症」をビビッドな視覚とともに描いていきます。





 ネタバレ追加


 正直最初のシーンでまみまみは結末分かってた気がします。私だけなのかな?そこが残念でした。気づかなかったらかなり衝撃的な終わりだと感じたのかも。すごくシュールで坦々とした映画でしたが、原色を使ったモダンなソンヒの部屋は「現代」をすごく強く感じました。引っ越してきた当時のソンヒは驚くほどデブです。沢山服を着てるんでしょうか?顔つきも違う気がします。「過食症」・・・彼女は専業主婦でした。彼女の世界には自宅と夫しか居ません。夫を喜ばせるために日夜必死で手の込んだ料理を作ります。新婚当初はそれを喜んでいた夫。また、ソンヒは料理の他に、セックスも好きでした。彼に愛されたくて必死で料理をするソンヒ。しかし、その押しつけがましく「おいしい??」などと何度も聞かれる事や、常に手の込んだ料理に飽き飽きし始めた夫。段々と彼女を遠ざけるようになります。遠ざかっていく夫を何とか振り向かせようと、どんどん手の込んだ料理を押しつけるソンヒ。頑張れば頑張るほど彼女は夫に避けられ、料理すら食べてもらえなくなり、そのストレスでどんどん自分で食べるようになっていきます。醜く太っていくソンヒ。それでも狂った様に食べてはもらえない料理を夫のタメにつくります。しかし、夫は自宅に帰ってきても愛犬だけを可愛がり、ソンヒを忌み嫌います。ある日ソンヒは夫の浮気現場を目撃。その報復として恐ろしい事をしてしまうのです。(内容は映画を見てください)

それが原因で離婚したソンヒは、301号室に引っ越してきます。302号室でシナリオライターをするスリムでクールな女性ユニを見つけ、彼女に無理矢理料理を食べさせようと渡すようになります。これも、一種の女の嫉妬ですよね。親切でそうしてるわけではなく、スリムな女を見て自分のように太らせたい・・そういう理由なのでしょう。一方ユニは実は「拒食症」です。高校時代、母の再婚で一緒に暮らし始めた肉屋を経営する義父に無理矢理セックスをされる日々。義父の強姦と、肉屋の肉を切る気持ち悪い映像・・・そして極めつけは近所の少女が誤って肉屋の巨大な冷蔵庫に入ってしまい、凍死した姿を見つけてしまうのです。そのせいで食べ物を一切受け付けられない、セックスも受け入れられない病んだ女になってしまったのです。

ソンヒから受け取った料理は全て捨てていました。ソンヒはユニに料理を食べさせてる満足感から、自分はダイエットにはげみ、スリムに減量します。しかしユニが料理を捨てていたことに気づいたソンヒは逆上。ユニから「拒食症」になったいきさつを聞き、彼女に何か必ず食べさせてやろうと様々な料理で自己治療をしようとします。そこから再び太り始めるソンヒと、何を見ても吐いてしまい受け付けられないユニ。

ソンヒの食べるシーンはまさに病的です。太ったり痩せたりする女と鶏ガラのような女。二人とも精神が病んでます。ソンヒはユニに食べさせることはできるのか・・・ユニは拒食症を克服する事ができるのか・・・。なんだかもう少しひねりほしかったな。ソンヒの過去を小出しにしたあたり、ユニのほうが病んでると思わせて、最後の方でソンヒの病んだ精神のほうが強かったのを強調するタメだったんでしょうか?テーマがテーマだけにかなり重い映画だから仕方ないんでしょうか?でもラストのラスト・・・背筋がちょっとゾクっとした。最初意味が分からなかったけど、何度も見てやっと分かりました。「301・302」


                 

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